2014年7月31日木曜日

ピレスラム風選の巻


こちらはキク科ピレスラム‘シルバーレース’
(Tanacetum cinerariifolium)














日本では、『除虫菊』とも呼ばれ、
一部の種は蚊取り線香など殺虫剤の材料に利用されています。

常緑多年草で、白い葉や白い花、乾燥に強い性質が
造園用として高い人気を誇ります。

しかし、その種子は精製が難しく
種子や苗物としては、
最近ではあまり扱われなくなっています。

逆に取れば、希少価値が高いということで!


ピレスラムの実は、球状をしており、
この中にたくさんの種子が入っています。













これを押し潰し、ふるいにかけ、
枝や種皮を取り除きます。






















さらに冠毛やがく片などを除くため、
文明の利器☆扇風機の登場です。






















ゴミとなる部位と比べると種子の方が重く、
種子が扇風機に寄って集まり、
ゴミが扇風機から遠くに飛ばされます。

こうして精製された種子(写真右)は
非常に小さく、先の細いピンセット(写真左)と並べても・・・











精製時には細かいゴミが舞う為、
マスクをしないとくしゃみが止まらない人も。

時間をかけて丁寧に精製した種子ですが、
残念ながら発芽率はイマイチ(涙)


もっともっと精製後の質を向上せねば・・・
誰か良い精製方法を知っていたら
ぜひ教えてください~!





(池田)






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2014年7月29日火曜日

・・・カズラ


この植物は?


Paederia scandens。


アカネ科(Rubiaceae)の、わりとどこででも見かける雑草です。
どこかで見かけたことはありませんか?
学内にも多く自生しています。


和名は・・・
お食事中の方にはすみません...
「へクソカズラ」。

ちょっとかわいそうな名前ですが、その名の通り葉や茎を揉んだりすると、その香りはあまり芳しくありません。

つる性で生育旺盛。庭木などに絡みつくとなかなか厄介な植物です。


直径1センチ程度の小さい花。でも、白の花冠に、紅色の中心部。
こうしてゆっくり見ると、その名前はともかく、なかなかきれいな花です。






灸花(ヤイトバナ)という別名があるそうで、お灸を据えた跡のような模様を喩えた名だそうです。


そういえば、幼い頃、悪戯をしたときに、オトンやオカンに、「灸(やいと)据えるぞ!!」とよく怒られたもんです。

関東ではあまり灸を「やいと」とは読まないでしょうか?


(金谷)

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2014年7月28日月曜日

大量のタネまき

すでに以前のブログでご紹介しているように花卉・苗生産部では機械を使用した大量生産の実習も行っています。今日の学部3年生の花卉専門実習は、高度化セル成型苗生産利用システム内の播種ラインを使ってパンジーの播種を行ないました。外は35℃の猛暑ですが、私たちが行っている作業はすでに秋~冬に出荷するポット苗のことです。

今日の実習で播種する種子数はおよそ50,000粒です。今日の学生さんは10人ですが、手で1粒1粒播いてもとうてい数時間の実習で播ききれる種子量ではありませんね

まず、播種ラインの個々の装置の働きと簡単な操作方法を解説し、それから実際に播種を行ないました。セルトレイは512穴の白色の硬質セルトレイ、品種はナチュレシリーズの4品種を使用しました。


播種機の解説


ドラムシーダーに種子を投入


いったん、播種ラインからセルトレイを取り出し、1粒ずつセルの真ん中に播種されていることを確認します。


各セルの真ん中にあるのがパンジーの種子



その後、再び播種ラインにセルトレイを戻し、バーミキュライトによる覆土、灌水を自動で行ない、トレイ自動積み上げ装置によって発芽台車に積み込まれます。トレイ自動積み上げ装置から発芽台車を外し、乾燥を防ぐため台車にラップを巻いていきます。これはすぐに発芽させるのではなく、発芽の揃いと発芽率を高めるため、5℃で20日間低温処理をするために行う作業です。


大きなラップで発芽台車を包みます



5℃の発芽室に台車ごと入れて20日間の低温処理を行ないます。


今日の実習はここまでですが、その後は8月中旬にラップを外し、20℃の発芽室に入れて発芽させます。今日播種したパンジーは11月中旬にポット苗として出荷される予定です。

このような播種ラインを使用した生産実習ができるのは、おそらく大学ではここだけです。花卉生産においても効率化や省力化が世界的に求められており、播種装置の操作や苗生産の流れを実際に理解することができるのは、学生さんにとっても大切なことだと思います。




  (渡辺均)




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2014年7月25日金曜日

日本においてダンギクは絶滅危惧種なのです。


真夏日が再来し、腕時計の日焼けあとがくっきりできました。花卉研修士1年斎藤です。

今回は、私の実験対象植物のダンギク (Caryopteris incana) に関して少しばかりご紹介いたします。
ダンギクは、シソ科カリガネソウ属に属する多年草であり、日本においては絶滅危惧 (VU) に登録されていることは、みなさんご存知でしょうか?



上の写真は、7月上旬の長崎県対馬列島の現地調査時に撮影した、対州層群に自生するダンギクです。ダンギクは日本国内において西九州にのみ、各集団が局在的に自生しており、日当たりの良い露岩地を好んで群落を形成しています。
そして興味深いことに、対馬や甑島、五島列島などに分布する群落間において表現型 (草丈・花色等) の種内変異が確認されています。

しかし、ダンギクは年々自生集団の減少・消滅が報告されており早急な対策が必要となっております。
私の研究テーマは、このような多様な種内変異をもつダンギクにおいて、乾燥や塩性など環境的要因が群落間変異に影響を与えているかを調査することです。



このような、山間内陸地に大群落を形成している場合と、沿岸露岩地にごくわずかな群落を形成しているように、様々な環境要因が関与し群落間変異に影響していると考えられます。

他にも・・・

こんな法面加工後のほんの僅かな亀裂の隙間や


海を眺めちゃってるダンギクもいました。

私だったら絶対自生したくないような環境下で精一杯生きるダンちゃん。なぜここで自生しているのでしょうか。

人間も十人十色。ダンギクも十人十色。様々な点を考慮し研究を進めていきます。


(学生:斎藤)


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2014年7月24日木曜日

1つの鉢花が出荷完了したら


今日は1つの鉢花が出荷された後のハウスの様子についてお伝えします。

やはり掃除の基本は「上から」行うということで、






まずは、ベンチの上のごみを取ります。
ベンチの上には、花がらやピンチした時のごみなどが、
たくさん落ちています。

これを餌にして、ハダニなどが繁殖していることも、ごく稀にあります。







1つ1つ丁寧に取り除きます。












次にハウス全体の除草をします。


取っても取っても直ぐに生えてきますので、鉢花の生育期間中もこまめに除草します。












最後にベンチ下を箒で掃きます。


この作業を1つの作型ごとに行うことで、ウイルスや病害虫の防除につながります。

また、この時期は暑くてなかなかできませんが、

気温が低くなったときは、燻煙剤なども併用して病害虫の防除につとめます。


(長嶋)





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2014年7月23日水曜日

花いっぱいのまちづくり講座(7月)

今年度から東京都葛飾区の事業として、全5回の花いっぱいのまちづくり講座をお引き受けしています。今回は2回目の講座です。前回は講義の後、夏花壇づくりを行ないました。前回の様子は以下をご参照ください。

http://naeseisan2.blogspot.jp/2014/06/blog-post_9.html

今回は、身近にある植物を殖やすことができるようになっていただくため、簡単な植物の繁殖方法をテーマに講義の後、挿し木、挿し芽を実際に皆さんに行って頂きました。受講者のほとんどの方が実際に挿し木をするのは初めてでしたので、挿し木用土、挿し穂の選び方、挿し穂の調整、発根促進剤の使用方法など、基本的な事柄についてひとつずつ解説しながら手順を説明しました。植物材料は、繁殖が比較的容易なアジサイ、ハイビスカス、トレニア、ランタナ、イポメア、ベゴニアなどを使用しました。

4号の輪鉢に鹿沼土を入れ、如雨露で土を湿らせた後、お好みの植物を挿しました。



好みの植物を選んで挿していきます



如雨露で灌水して挿し木は完了

挿し木→発根→移植までの日常の管理方法を解説し、ご自宅に持ち帰ってその後の管理の実践開始です!

次回お会いするときに、その後の生長のお話を伺うのが楽しみです。上手く育っているかな~。ちょっと心配です・・・。


 


  (渡辺均)




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