2017年6月12日月曜日

単年栽培の当帰が局方合格品として医療現場での使用が始まります

私たちがトウキの栽培研究を開始して10年ほどが経過しましたが、ついにその研究成果によって生産された当帰が日本薬局方の基準をクリアし、医療現場で処方されることになりました。

当帰は、日本国内での使用量の多い生薬の一つですが、これまでは種子を播いてから収穫するまでに18ヶ月ほどを要していました。そのうちの約1年を育苗に費やし、翌春にそれを本圃(畑)に定植し、その年内に根を収穫し、加工して生薬原料として出荷されていました。

私たちは、1年を要していた育苗期間を短縮できないかと考え、セルトレイに播種してから42日間育苗し、畑に定植する方法を確立させました。

こう書くと簡単なことのように思われるかも知れませんが、それまでに、雑駁だった系統から優良な系統を選抜し、採種技術や育苗技術を確立させた背景があっての結果です。もちろん、本圃(畑)に定植してからは、従来の栽培と同様な方法で行なっています。

このプロジェクトは、柏の葉キャンパスでのアミタ株式会社との共同研究から始まり、宮城県南三陸町の生産者様の御協力のもとで本格的に栽培され、さらに、福島県立医科大学会津医療センターの漢方内科三潴忠道先生、佐橋佳郎先生のご指導とメーカーの株式会社栃本天海堂の御協力による成果です。皆様の御理解とご支援があっての賜物です!


この当帰は、今月から福島県立医科大学会津医療センターで処方されます。

この事例は、私たちが取り組んできた薬用植物を含む健康機能性植物の生産性の向上、効率的生産に関する一つの成果となるだけではなく、大学、民間企業、農業生産者、医療関係者を横につなぎ、それぞれが地域振興や地域医療に寄与するために粘り強く取り組んだ結果ではないかと思います。

今後もさらなる品質の向上を目指し、研究を続けます。


(渡辺 均)

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