2017年6月26日月曜日

ペチュニア培養苗の馴化

例年、この時期の実習メニューですが、先日の園芸学科3年生の栽培・育種学専門実習でペチュニアの培養苗の馴化を行いました。

花卉・苗生産部で生産しているさくらさくらシリーズの‘さくらさくら’、‘桃色吐息’、‘おゆきちゃん’など、来春のセル成型苗、ポット苗、鉢花を生産するための親株をつくるためにはとても重要な母株生産作業です。ここで失敗するとそれ以降の苗生産の計画に大きな狂いが生じてしましますので、ミスの許されない実習作業です。この作業は、ウイルスなどの感染を防ぐため、毎年培養苗で親株が更新・増殖されるのが一般的です。

園芸学科では2年生の後期に、‘さくらさくら’のセル成型苗出荷用の挿し芽の実習を行なっているので、そこまでの母株生産の流れを説明すれば、培養苗の馴化からセル苗生産までの一連の苗生産の流れがすべて理解できるのではないかと思います。

作業手順を説明した後、作業開始です。無菌的にプラントボックス内で培養されている苗を取り出し、根を洗浄し、セルトレイに植え付け、発芽室内に入れるまでの作業を行いました。

まず、作業テーブルと使用する用具を70%アルコールで滅菌消毒し、各自手袋をはめて作業に入ります。培養器の蓋をあけ、寒天培地の中に根を張った植物体を丁寧に取り出します。

根に付着している寒天培地を丁寧に取り除きます。


洗い終わったら皿に並べ、乾かさないよう霧吹きで湿り気を保ちます。


培養苗の地上部を3センチ程度に切り分け、下葉を取り除きます。


あらかじめ土詰めして湿らせておいた128穴セルトレイに1本ずつ丁寧に挿します。ときどき、乾燥しないように霧吹きで湿度を保ちながら手早く挿していきます。



発芽室内で室温23℃、湿度70%以上の発芽室内で管理すると1週間ほどで発根してきます。しばらくは乾かさないように管理し、次第に霧吹きによる加湿を控え、その後は3号ポットに上げ、防虫ネットの張られた育苗ハウス内で管理する予定です。

今年のさくらさくらシリーズのポット苗生産が終わったと思ったら、もう来年の生産が始まりました。このように一年近く前から来年春の計画の流れに沿って、先を考えながら生産は進んで行きます。自分の仕事も期日に余裕をもって進められれば良いのですけどね。なかなかそうはいきません。


(渡辺 均)

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