2018年3月7日水曜日

×印の花


 やや寒さも緩み始めるこの季節。
 眼の周りがうずうず、鼻がむずむず…症状の出始めた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 もちろん、私もその一員です。
 春の息吹をじっくりと楽しみたいところですが、眼が開けていられないという悲しさです…。

 さて、そんな春に咲くつもりだったであろう花が、温室内で一足先に咲いていました。



 こちら…なんとも刺々しい形をしていますが、ベンケイソウなどの多肉植物ではありません。



 こちらはホルトソウEuphorbia lathyris です。



 ホルトソウはトウダイグサ科トウダイグサ属の2年草で、直立した茎には十字対生という、上から見ると「×」の形に葉をつけています。



 トゲのように線形の細長い葉をつける茎部は赤から淡紫色を帯び、その先端に数個に分かれた花序をつけます。




 花のようにみえるこの部分は苞葉と呼ばれる葉の変化した器官。
 トウダイグサ科には多く見られるものですね。
 内部には複数の雌蕊と雄蕊がみられます。

 温室内で春を感じて先走り気味に咲いていますが、本来は春から夏にかけて咲く植物で、夏に大きな果実から採れる種子は油分に富み、工業用の油として古くから用いられていたようです。
 さらに、油分を絞り出した種子は、続随子(ぞくずいし)という生薬として用いられ、利尿効果があります。


 ともすれば不気味な形をしているホルトソウですが、「見せかけ」という花言葉からも、見た目より様々な用途に利用できる植物ですね。

 今年の夏にその種子を拝めることを期待しつつ、まだ寒い季節に咲いてしまった花も、それはそれで楽しんでみている今日この頃でした。

(安藤匡哉)

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